データセンターにおけるラック設計

DC network
Published: 2011-06-28

「データセンタのラックなんてどれも似たようなもんだ」と思っていたのですが、色々なラックを見た結果、考えが変わりました。ラックのちょっとした差が、利用者の印象を大きく左右します。データセンタ事業者としてラック貸しをやるのであれば、機会損失を防ぐためにも、色々な用途に対応出来る万能なラックを提供したいものです。

いずれそんな業務に関わることもあるだろうという事で、考慮したいラック設計のポイントをまとめました。

1:光ケーブルはラック上配線にする

コストが安いTwinaxケーブルが使える場面を増やすために、光ケーブルは、ファイバーランナーを使ってラック上配線にした方が良いと思います。

ラック単位、またはPOD単位でシステム拡張するユーザにとって、Top of Rack方式は非常に魅力的です。ToR方式で10Gbpsネットワークを構築しようとした場合、ラック内のスイッチとコアスイッチをTwinaxケーブルで接続できるかどうかで、構築費用に差が出てきます。

光ケーブルが床下配線のラックでToR方式をやろうとすると、貴重なTwinaxケーブル長がラック内で消費されてしまいます。ラック内のスイッチをラックの下部にマウントすれば、床下配線でもTwinaxケーブルを有効活用できますが、ラックの一番下から重力に逆らってラック内のサーバに配線するのはかなりめんどくさいです。。。

2:奥行をしっかり確保する

ブレードサーバの集積率を向上させるために、ラックの高さと電源容量に焦点が当たる傾向にありますが、奥行もかなり大事です。最近の製品には、「ラックは前後ギリギリまで使えて当然だよね?」みたいな物もありますので。。。奥行が短いラックにUSCのブレードをラッキングすると、ドアが閉まらないとか。。。

また、機器搭載スペースだけではなく、マウントアングルと扉の間に十分なケーブリング用のスペースを確保する為にも、ラック全体の奥行きをケチってはいけません。

なお、奥行に関しては、提供するラックのオプションに、Nexus7000を入れられるサイズの物を準備しておく位の備えがあってもいいと思います。必要な機器がラッキング出来ないデータセンタに引き合いはないのですから。

3:電源タップは背面を向ける

電源タップが内側を向いていると、接続した電源ケーブルの一部がマウントアングルに被る形になってしまい、実際に利用可能なスペースが減ってしまいます。

電源タップに限った話ではありませんが、ラック内のDC事業者側設備でユーザのラッキングスペースを減らす様な作りは避けた方が良いです。どこのUにでも機器をラッキング出来るラックを貸す事が、DC事業者として最低限の務めだと思います。