文書作成アンチパターン

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Published: 2017-02-03

新人の週報レビューとtextlintのルール作りのために、わかりやすい日本語の書き方を調べました。その中からこれはよいと思ったルールをアンチパターンとしてまとめました。

  1. 誤字脱字が多い
  2. 1つの文章が長い
  3. 無理に漢字で書く
  4. あいまいな表現
  5. 「てにをは」が間違っている
  6. 口語調
  7. 感嘆符、疑問符
  8. 否定表現
  9. 2重否定
  10. 単語のゆらぎ
  11. 修飾語と被修飾語の距離が遠い
  12. 単語をただ並べる
  13. 冗長な表現
  14. ()を使いすぎ
  15. 「の」の連続
  16. 順説の「が」
  17. 「と」の前後で品詞が違う
  18. 連用中止
  19. こそあど言葉を多用する
  20. 熟語を連結しすぎ

誤字脱字が多い

誤字や脱字は目立ちます。誤字や脱字が多いと、誤字や脱字が気になって文章そのものに集中できません。文章に集中してもらうために誤字や脱字をなくします。

1つの文章が長い

1つの文章が長いと、読み手は文章の内容を簡単に理解できません。適切な長さで文章を区切ると、読み手が理解しやすい文章になります。

無理に漢字で書く

漢字ばかりの文章は読みにくいです。読みにくい文章はわかりにくいです。平仮名で書いた方がわかりやすい漢字は平仮名で書きます。

  • 但し
  • 然し
  • 折角

あいまいな表現

あいまいな表現ばかりの文章は、主張が不明瞭なためわかりにくいです。読み手に伝えたいことがある場合は、あいまいな表現ではなく断定系で書きます。

  • と思います
  • の可能性があります。
  • と思われます

「てにをは」が間違っている

「てにをは」が間違っている文章は読み手を混乱させます。「てにをは」の間違いは、わかりやすさ以前の問題です。

  • 機会が得られた
  • 能力が磨く
  • 機会は参加する
  • 情報の取り出す方法を理解した

口語調

話し言葉は読み手に対して幼稚な印象を与えます。あえて口語調を使う場合を除いて文語調の表現を使います。

  • どんな
  • ~したら
  • やる
  • でも、
  • こなす
  • ~たら
  • もう

感嘆符、疑問符

感嘆符や疑問符に不快感を覚える人がいます。感嘆符や疑問符を使わなくても文章の意味は通じます。

  • できますか?
  • すごいですね!

否定表現

「ではない」という表現は、読み手に対して正しい意味が伝わりません。たとえば「カレーは美味しくない」という否定表現の場合、「カレーは不味い」と「カレーは普通です」の2つの解釈が成立します。

正しい意味を伝えるためには、読み手に伝えたいことを肯定表現で記載します。「カレーは不味い」という肯定表現であれば、読み手は「カレーは不味い」という解釈をします。他の解釈は成立しません。

2重否定

2重否定はわかりにくいです。特別な理由がない限り肯定表現を使います。

  • 仕事がつまらないと感じることはなくなる

単語のゆらぎ

同じ意味の単語にもかかわらず表記がゆらいでいると、揺らぎが気になって文章に集中できません。読み手の集中力を維持するために文中の表記を統一します。

  • 「1つ」と「一つ」
  • ()と()
  • 全角と半角の英数字

修飾語と被修飾語の距離が遠い

修飾語と被修飾語の距離が遠いと、読み手が内容を誤解します。読み手に正しく内容を伝えるために、修飾語と被修飾語を近づけます。

「毎朝やるべきタスクを整理する」という文章は、「毎朝やるべきタスク|を整理する」と「毎朝|やるべきタスクを整理する」の2つの解釈が成立します。修飾語と被修飾語の距離を近づけて「やるべきタスクを毎朝整理する」という表現にすると、文章の意味が明瞭になります。

単語をただ並べる

単語をただ並べただけと単語の関係性が読み手に伝わりません。単語を並べるときは、接続詞や助詞を利用して単語の関係性を明確にします。

  • 「A、B、C」

冗長な表現

冗長な表現を使うと1つの文章が長くなります。冗長な表現は無駄なので簡潔に書きます。

  • 「動詞な名詞」ができた
  • 「動詞な名詞」をする
  • 「動詞な名詞」することができる
  • 「動詞な名詞」を行う
  • 「動詞な名詞」を実施する

()を使いすぎ

()によって補足が入る文章は、()が文章の流れを妨げるため読みにくいです。補足を書くときは()ではなく地の文に書きます。

同じ意味の言葉を重ねる

同じ意味の言葉を重ねた表現に対して違和感を覚える人がいます。特別な理由がないかぎり重複表現の利用を避けます。

  • 各サービス毎
  • 一番初め
  • 直接接する
  • まずはじめに

「の」の連続

助詞の「の」が連続した文章は読み手に間延びした印象を与えます。「の」が2回以上登場する場合、別の表現を検討します。

  • 今日のご飯のメニュー

順説の「が」

「が」は逆説で用いるケースが多いです。そのため、読み手は順接の「が」に違和感を覚えます。違和感はわかりにくさにつながるので、順接の「が」を別の表現に置き換えます。

  • 本日ですが、打ち合わせはいかがでしょうか。
  • 今日は晴れですが、明日も晴れです。

「と」の前後で品詞が違う

「と」の前後の品詞が異なると読みにくい文章になります。並列の「と」を使う場合は、前後の品詞をそろえます。

  • 障害の一次対応と顧客に報告した

連用中止

連用中止で文章をつなげると前後の文章の関係性があいまいになります。文章のつながりを明確に示す接続助詞を使うことで、わかりやすい長文にします。

  • を行い、~
  • を頂き、~
  • に参加し、~
  • まとめ、~
  • 項目を作り、~
  • 質問し、~
  • し忘れ、~
  • 必要があり、~

こそあど言葉を多用する

こそあど言葉を使うと、文章が何を示しているかが曖昧になります。こそあど言葉が指示している内容を正しく理解できるのは書き手だけです。内容を正しく伝えるために、こそあど言葉の利用を避けます。

こそあど言葉と指示先が離れている

こそあど言葉と「こそあど言葉が指示する言葉」の距離が離れていると、こそあど言葉の意味がわかりにくくなります。どうしてもこそあど言葉を使わなければならないい場合、こそあど言葉と指示先の言葉の距離を近づけます。

熟語を連結しすぎ

複数の熟語をつなげて作ったオリジナルの熟語は、言葉の意味があいまいになります。自分で作った熟語の正しい意味がわかるのは書き手だけです。正しい意味を伝えるために、熟語をつなげたオリジナルの熟語を作るのではなく、熟語を使った1つの文を作ります。

  • 勉強時間確保