Azure Stack Hub で PaaS を利用する

azurestack
Published: 2018-12-23
  • 初版:2018年12月
  • 第二版:2019年12月
  • 第三版:2022年3月

はじめに

本エントリーはMicrosoft Azure Stack Advent Calendar 2018の23日目です。

本日のエントリでは Azure Stack Hub の PaaSについてまとめます。ただし、PaaS をちゃんと触れていないのでさらっとです。

Azure Stack Hub と PaaS

Azure Stack Hub は Azure の拡張であり、Azure と一貫性をもって設計されています。そのため、管理者は利用者に対して IaaS だけでなく PaaS も提供できます。2108 update 時点の Azure Stack Hub で利用できる PaaS は次の通りです。

  • App Service
    • Web Apps
    • API App
    • Function App
  • SQL Server
  • MySQL Server
  • Kubernetes Service(AKS)
  • Container Instance(ACR)
  • Event Hub

なお、一貫性はあるとはいえ、IaaS と同様、これらの PaaS もパブリッククラウドで提供されているものとは機能の差異があります。特に SQL Server と MySQL Server は全くの別物です。やりたいことができるのかを導入前に確認するのを忘れずに。

管理者目線での PaaS(旧世代)

Azure Stakc Hub の管理者は、利用者に対してを App Service と SQL Server、MySQL Server を提供するかどうかを決めなければなりません。そして、PaaS を Azure Stack Hub にインストールするのは管理者の仕事です。公式ドキュメントには PaaS のインストール方法が記載されています。

例えば手順に従って App Service をインストールすると、管理者側のサブスクリプションに PaaS を実現するための沢山の Virtual Machine と VM Scaleset がデプロイされます。これらの IaaS が連携することで、App Service という PaaS を利用者に提供しています。

App Service を構成する主要なリソース

Azure Stack Hub の PaaS は利用者にとっての PaaS であって、管理者にとっては IaaS です。そのため、これらのリソースを運用するのは Azure Stack Hub の管理者の仕事です。Microsoft のサポート担当と連携して障害を解決する必要があります。なお、Azure Stack Hub の Health Resource Provider はこれらの PaaS と連携しないので、PaaS を構成する IaaS を監視する方法を管理者が用意する必要があります。

管理者目線での PaaS(新世代)

EventHub と Kubernetes service、Container Instance は仕組みがガラッと変わっています。

Azure Stack Hub の新しい PaaS の仕組み

これらの PaaS は Azure Stack Hub のマーケットプレイスから簡単にインストールできますし、PaaS に問題があった場合は Azure Stack Hub の Health Resource Provider が IaaS と同じようにアラートを上げてくれます。PaaS 独自の監視の仕組みを用意する必要はありません。

まとめ

本日のエントリでは、Azure Stack Hub 上の PaaS についてまとめました。Azure Stack Hub 上の PaaS の利用を検討する際には次のことを考慮する必要があります。本番利用の前に PoC を行って、管理者と利用者がそれぞれ何をすべきなのかを明確にしましょう。

  • 利用者:Azure Stack Hub の PaaS でやりたいことができるのか
  • 管理者:旧世代の PaaS なのか、新世代の PaaS なのか