Azure Stack の Infrastructure Backup を Azure Files に保存する

azurestack
Published: 2019-01-16

はじめに

Azure Stack をバックアップする(管理者向け)でまとめたとおり、Azure Stack の管理者向けバックアップは SMB のファイルサーバにバックアップファイルを保存します。ドキュメント上では、保存先としてサポートされているファイルサーバはオンプレミスのものだけであって、Azure Files はサポートされていません。

参考:Infrastructure Backup Service reference

バックアップのためだけにファイルサーバを運用しなければならないのは苦痛です。前々から「Azure Files を早くサポートしてくれないかな」という要望をもっていました。そんな中、Twitter 上で「 Azure Files にバックアップファイルを保存した」というつぶやきがありました。

「まじか。サポートはしてないけど、技術的にはできるってこと!?」ということで実際にやってみました。

Azure Files を作る

Azure ポータルで Azure Files をポチポチ作ります。

Azure Files の設定個所

作成した File 共有で Connect をクリックして、Azure Files にアクセスするためのパスとユーザ名、パスワードを入手します。

接続情報の記載個所

Infrastructure Backup を有効化する

上記の手順で入手したパスとユーザ名、パスワードを利用して、Infrastructure Backup を有効化します。

$username = "Azure\aimlessazsinfrabackup"
$sharepath = "\\aimlessazsinfrabackup.file.core.windows.net\infrabackup"
$password = ConvertTo-SecureString "XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX==" -AsPlainText -Force
$Encryptionkey = New-AzsEncryptionKeyBase64
$key = ConvertTo-SecureString -String ($Encryptionkey) -AsPlainText -Force
$key
Set-AzsBackupShare -BackupShare $sharepath -Username $username -Password $password -EncryptionKey $key

設定が成功すると、管理ポータル上に表示されるバックアップ先が Azure Files になります。

管理ポータル上の表示

バックアップを手動実行すると、Azure Files 上にバックアップファイルが保管されます。素晴らしい。

保存されたファイル

まとめ

サポートされていない手法ではありますが、Azure Stack の Infrastructure Backup を Azure Files に保存できました。Infrastructure Backup を保存するためだけにファイルサーバを用意・運用するのはつらいです。マネージドサービスである Azure Files へのバックアップが正式にサポートされれば、Azure Stack Operator が運用しなければならないものが一つ減ります。正式サポートが早く始まることを期待します。